南海トラフ地震が来る前に——知多半島の沿岸部で「危険な空き家」を減らす意味

南海トラフ地震が来る前に——知多半島の沿岸部で「危険な空き家」を減らす意味

南海トラフ巨大地震については、将来の発生が指摘される大規模地震として、国や自治体が長年にわたり防災・減災の取り組みを進めています。愛知県知多半島も太平洋に面した地域として、防災計画の見直しや避難訓練、ハザードマップの更新など、各種の対策が各市町で継続的に進められていることをご存じの方は多いでしょう。こうしたニュースやお知らせに触れるたびに、「うちの空き家は大丈夫だろうか」「実家の古い家をこのままにしていていいのだろうか」と気になる方も少なくないはずです。今回は、発生時期や震度といった専門機関でなければ語れない数値の話ではなく、老朽化した空き家が防災上どのような課題として広く指摘されているのか、そして早めの解体・整理がなぜ前向きな備えになるのかを、半田市・常滑市・東海市・大府市・知多市・美浜町・南知多町・武豊町・東浦町・阿久比町を拠点に解体工事を手がける私たち「サラチエ」の視点からお伝えします。

空き家が抱える「見えにくいリスク」

知多半島には、代々受け継がれてきた古い住宅や、相続後に管理されないまま残された空き家が少なくありません。人が住まなくなった建物は、雨漏りやシロアリ被害、基礎や柱の劣化が進みやすく、換気や通水が行われないことで湿気がこもり、外から見ただけでは分からない傷みが内部で静かに進行していることがあります。築年数が古く、現在の耐震基準が定められる前に建てられた住宅では、こうした経年劣化の影響がより大きく表れやすいとも言われています。老朽化した建物は、大きな揺れが起きた際に倒壊や屋根瓦・外壁材の落下といった被害を受けやすいことが、防災の分野で一般的な課題として広く指摘されています。

さらに、空き家が道路に面して建っている場合、倒壊によって道路をふさぎ、車両の通行はもちろん、徒歩での避難や消防・救助活動の妨げになる可能性がある点も、各地の防災情報などでたびたび触れられているテーマです。ブロック塀の倒壊や自動販売機・屋外設備の転倒なども含め、所有者が管理しきれていない構造物は、災害時に思わぬ形で周囲へ影響を及ぼすことがあります。自分の家だけでなく、近隣の方の避難経路や安全にも関わってくる可能性がある、という視点を持っておくことは、地域で暮らす一人として大切なことだと私たちは考えています。

「いつか」ではなく「今できること」に目を向ける

地震がいつ起こるのか、知多半島がどの程度の揺れに見舞われるのかといった具体的な予測は、私たちのような解体工事の専門業者が語れるものではありませんし、軽々しく口にすべきことでもないと考えています。詳しくは、愛知県や各市町が公表している防災情報、ハザードマップなどをご確認いただくのが確実です。

ただ、はっきりしているのは「老朽化した空き家をそのままにしておくリスク」は、地震の発生時期にかかわらず、今この瞬間にも存在し続けているということです。空き家は放置すればするほど劣化が進み、倒壊リスクだけでなく、防犯面や景観面、雑草や害虫の発生、固定資産税の負担といった別の悩みも次々に重なっていきます。逆に言えば、解体や整理といった対応は「地震が来る前に」というタイミングを問わず、思い立ったときに始めて意味のある備えだとも言えます。将来の不安に振り回されて立ち止まってしまうのではなく、「今の自分たちにできることから、少しずつ手をつけていく」という前向きな姿勢こそが、結果的にご自身とご家族、そして地域全体の安心につながっていきます。

空き家を解体するという選択肢

「もったいない」「思い出が詰まっている」「まだ住めそうな気がする」——こうした理由で、老朽化していても解体に踏み切れないというお話を、私たちはこれまで多くのお客様から伺ってきました。長年暮らした家や、ご両親が大切にしてきた住まいへの思いは、簡単に整理できるものではありませんし、そのお気持ちはとてもよく分かります。無理に解体をお勧めすることは決していたしません。

一方で、耐震性に不安のある建物を持ち続けることは、所有者ご自身の安全だけでなく、隣接する家や通行人、避難路といった周囲への影響も伴う可能性があるという事実からは、目を背けずに向き合っておきたいところです。解体して更地にすることで、倒壊リスクをなくせるだけでなく、売却や駐車場としての活用、新しい住まいの建築、家庭菜園といった次の選択肢を広げることにもつながります。「使わない建物をそのまま残す」のではなく、「安全で使いやすい土地に変える」という発想の転換が、地震への備えであると同時に、次の世代への引き継ぎやすさにもつながっていくのではないでしょうか。

相続や名義の問題も早めの整理がカギ

知多半島でも、空き家の所有者が名古屋市内や県外など遠方に住んでいたり、相続人が複数いて意見がまとまらなかったり、そもそも名義の変更が済んでいなかったりするケースをよく見かけます。いざ解体を検討する段階になって、名義や相続関係の整理に思いのほか時間がかかり、結果として対応が先延ばしになってしまうことも珍しくありません。

地震への備えという観点からも、こうした手続き面の課題は早めに着手するほど選択肢が広がります。解体工事そのものは、規模にもよりますが数日から数週間で完了することが多い一方、その前段階である相続手続きや関係者間の合意形成には、数か月単位の時間がかかることもあります。「まだ大丈夫」「そのうち考える」ではなく、「元気なうちに、時間や気持ちに余裕のあるうちに」少しずつ整理を進めておくことが、いざというときのご家族の負担を減らし、大きな安心材料になります。

まちの安全は、一軒一軒の備えから

南海トラフ地震に関する国や自治体の防災対策は、道路や堤防、避難施設といった大きなインフラの整備だけでなく、私たち一人ひとりが暮らす住宅の状態にも支えられています。老朽化した空き家を一軒でも減らしていくことは、所有者ご本人の安心はもちろん、近隣住民の避難路の確保や、地域全体の防災力の向上にもつながる、地味に見えて確かな取り組みです。

サラチエは「解体からはじまる新しいまちづくり」をブランドタグラインに掲げ、創業77年にわたり知多半島の解体工事に携わってきました。老朽化した空き家をどうすればよいか分からない、費用感を知りたい、相続の相談から始めたい——そんな段階でも構いません。地震への備えを大げさに考えすぎず、まずはご自宅や実家の状態を知ることから、私たちと一緒に一歩を踏み出してみませんか。ご相談・お見積もりは無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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